【実機レビュー】謎のメーカー「Ocypus」は買いか?DeepCool元デザイナーが手掛けるクーラーの実力を徹底検証

自作PC界隈で最近、密かに話題になっているブランド「Ocypus」。

Amazonの検索結果に現れるその製品は、どれもスタイリッシュで目を引きます。しかし、情報が少なく購入を躊躇している方も多いはずです。

今回は、実際に「Delta L24」と「Sigma L36 PRO」の2製品を購入し、2ヶ月ほど使い倒してみた感想をレポートします。

1. そもそも「Ocypus」ってどんなメーカー?

まずは、この聞き慣れないメーカーの背景について解説します。

DeepCoolやCPSの遺伝子を継ぐブランド

実はOcypusは、PCパーツ界の巨人である「DeepCool」や、新進気鋭の「CPS」でデザインを務めた人物が独立して立ち上げたブランドです。

これを知ると、「ただの怪しい中華メーカー」ではないことが分かります。あの洗練されたデザインセンスや、冷却技術のノウハウが引き継がれているとすれば、期待が高まります。

購入場所は現状「Amazon」のみ

記事作成時点では、日本の家電量販店やPCパーツショップ(ツクモやドスパラなど)での取り扱いはなく、主な購入先はAmazonのみとなっています。

実機を見てから買えないのがネックですが、その分、通販特有のセールなどで安く手に入ることがあります。


2. 私がOcypusを選んだ2つの理由

有名メーカーではなく、あえてOcypusを選んだ理由は2つあります。

  1. 評価の振れ幅が激しく、逆に気になったから情報収集のために多くの自作PC系インフルエンサーやYouTuberのレビューを見ているのですが、Ocypusに関しては**「酷評している人」と「絶賛している人」が真っ二つ**に分かれていました。「本当にダメな製品なのか、それとも隠れた名機なのか?」自分の手で確かめたくなったのが一つ目の理由です。
  2. シンプルに「デザイン」に一目惚れしたから理屈抜きで、ロゴの配置やファン、ポンプヘッドのデザインが好みでした。DeepCoolの流れを汲んでいるだけあり、現代的でシックな見た目に惹かれました。

3. 購入した製品と検証環境

今回レビューするのは、エントリーモデルとハイエンドモデルの2機種です。

製品名Delta L24 (ホワイト)Sigma L36 PRO (ブラック)
価格(購入時)5,999円24,648円
タイプ240mm 簡易水冷360mm 液晶付き簡易水冷
検証CPUIntel Core i5-12400FAMD Ryzen 7 7800X3D

4. 実際に使ってわかった「良かった点」

実際に組み込んで使用してみて、ポジティブに感じたポイントは以下の3つです。

① デザインの良さ(派手すぎず洗練されている)

やはりデザインは期待通りでした。

よくある中華メーカーにありがちな「過剰な装飾」がなく、非常にスマートです。特にポンプヘッド周りの造形は美しく、デスクに置いてもインテリアとして映えます。ホワイトモデルの発色も綺麗でした。

Delta L24を搭載したPC
Sigma L36 PROを搭載したPC(著作権を考慮しモザイク加工しています)

② 値段以上の冷却性能

驚いたのは、約6,000円で購入した激安水冷「Delta L24」の実力です。

  • 作りが良い: 安価な製品はプラスチックのバックプレートが多い中、こちらは金属製で耐久性への配慮が感じられました。
  • 温度計測:どちらの構成もアイドリング時で40℃台、高負荷時:70℃台と余裕を持って冷やしきることができました。冷却性能に関しては、有名メーカーにそこまで引けを取りません。

③ 制御ソフトの改善と使いやすさ

「Sigma L36 PRO」のような液晶付きモデルには制御ソフトが必要ですが、レビューで見かけた「ソフトが勝手にダウンロードされて怖い」という仕様は改善されていました。

現在は公式サイトから自分でダウンロードする形式になっており、安心して導入できます。操作感も直感的で、画像の変更などもスムーズに行えました。


5. 購入前に知っておくべき「微妙な点」

もちろん、手放しで褒められるわけではありません。気になるデメリットも正直にお伝えします。

① 日本正規代理店がない(信頼性の不安)

現時点では日本に正規代理店が存在しないようです。

もし故障や初期不良が起きた場合、Amazonの返品期間内なら問題ありませんが、長期的な保証対応(RMA)が必要になった際、英語でのやり取りが必要になる可能性があります。「何かあった時にショップに持ち込めない」のはリスクです。

② 制御ソフトが少し「重い」

液晶付きの「Sigma L36 PRO」を使用する場合、ディスプレイ制御のためにバックグラウンドでソフトを動かす必要があります。

これがPCのリソースを少し食うようで、ベンチマークのスコアやゲームのFPSがわずかに低下する傾向が見られました。極限までFPSを稼ぎたいガチゲーマーには気になる点かもしれません。

③ コスパの王者はやはり「DeepCool / CPS」か

Ocypusも優秀ですが、価格と性能のバランスを突き詰めると、親元とも言えるDeepCoolやCPSの製品にわずかに軍配が上がります。

「そこまで大きな性能差はない」ものの、ブランドの信頼性まで含めた総合力では、まだ先輩メーカーが一歩リードしている印象です。


6. まとめ:Ocypusはどんな人におすすめ?

実際に2製品を使ってみて、Ocypusは「万人受けはしないが、刺さる人には深く刺さるブランド」だと感じました。

おすすめな人

  • Ocypusのデザインがとにかく好きな人
  • 自作PCに慣れていて、トラブルが起きても自分で対処できる人(または詳しい友人がいる人)
  • 人と被らないパーツを使いたい人

おすすめしない人

  • 初めて自作PCを組む初心者の方
  • サポートの手厚さを最優先する方

個人的には、買って後悔はしていません。

特に安価な「Delta L24」のクオリティは価格以上で、サブ機やエントリー機をオシャレに組みたい時には最適な選択肢の一つになります。

もしAmazonでOcypusのデザインに惹かれて迷っているなら、この「人を選ぶ」という特性を理解した上で、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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